川沿いの桜がいつのまにか満開だった。
「なかなか咲かなかったけど、あっという間ですね。」とタクシーの運転手さん。
「雨が降ったら散るから儚いですよね~」葬儀場に向かいながらつぶやいた。
「まだ大丈夫。明日がお花見日和ですよ。きょうも場所取り大変そうですわ。はは。」
会場に到着。席につき目の前の原哲之さんの写真を見ても実感がない。
環境を守る市民運動をされていた方で、4年前に知り合った。
9年前からガンと闘いながら、信念を貫き命を削るようにがんばっておられた。
10年前から一緒になられた喪主である奥さんの言葉に会場から嗚咽が。私も涙が止まらない。
共に支えあい、尊敬されている夫婦の愛情の深さが、気丈な奥さんの言葉に滲み出ていた。
そういった人に巡り合えたお二人が本当に羨ましかった。
以前、私の拙い文章を原さんが編集されていた環境コミュニティ誌「環・太田川」に
載せていただいた時のことを思い出した。
「自分が思ってること、訴えたいこと素直に書いちゃったらええですよ!」の言葉に励まされ
はりきって書いたものだ。
鮎を食べる会に参加したことや忘年会での笑顔、取材に来られたときの真剣な眼差し・・・
初めて列車の中で人から紹介されたときの表情が次々浮かんでくる。
まだまだこれから色々教えていただきたかったし
活躍できる人だっただけに残念で仕方ない。
心からご冥福をお祈り申し上げます。